共産党躍進の影の主役
選挙は、大方の予想通り、与党が圧勝した。私は、自民党も公明党も大嫌いなので、今回の結果については、勿論、残念ではあるのだが、そんな私ですら、今回は正直なところ、与党が勝ってもしょうがないなと思った。何しろ、他に魅力的な選択肢がまるでなかった。私は、安倍晋三氏のことは、全く好きでは無いのであまり認めたくはないが、今回は、彼が非常に上手くやったと言うべきかもしれない。
共産党の議席が倍増した。志位和夫委員長は「安倍政権への批判表が集まった」ことを要因に挙げているが、議席が増えた最大の理由は、民主党を中心とする野党の弱体化だろう。結果だけ見れば、共産党は巨大与党の恩恵を受けたわけで、共産党躍進の影の主役は自民党である。逆から見れば、共産党が活発化すれば、左の票が割れて有利になるのは自民党なので、自民党と共産党は、お互いに協力しあうインセンティブがある。まさか実際に協力はしていないと思うが……。
個人的に気になったのは、沖縄県で、日本全体と真逆の結果が出たことだ。ネット上では、早速、沖縄の人々に対する攻撃を行っている連中がいるが、言語道断である。本土と沖縄の間で、深い分断のようなものが起きているのではと心配になる。少なくとも、「沖縄県民はサヨク」の一言で、片付けてはいけないのは確かだろう。
- 作者: 筆坂秀世
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/04/15
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