有馬記念回顧 史上最強牝馬、暮れの中山に誕生す

第59回有馬記念は、4番人気の5歳牝馬ジェンティルドンナが直線半ばで先頭に立つとそのまま後続を振り切り、優勝した。同馬はこれでGⅠ7勝目。1馬身差の2着に、内から伸びた3歳馬トゥザワールド。1番人気のゴールドシップは3着に敗れ、以下ジャスタウェイエピファネイアと続いた。
暮れの中山に、文句無しの史上最強牝馬が誕生した。優勝したのは、有馬記念を最後に引退するジェンティルドンナ。私は、この馬は既にピークを過ぎたと考えており、1円の馬券も買わなかった。不明を恥じるしかない。騎手が上手く乗ったとはいえ、堂々と押し切っての完勝には、脱帽するしかあるまい。この勝利で、名実ともに歴史の馬になった。

エピファネイアが先行し、ジャスタウェイが後方待機という展開自体は、予想通りだったが、予想は大外れに終わった。無印のワンツーで決まったのだから、言い訳のしようのもない。敗因は何か?


本命に挙げたエピファネイアは、やや折り合いを欠き、理想よりも前目の位置取りになった。ただ、レース展開そのものは、有利だったと思う。4コーナーでは夢を見たが、最後に足が止まった。この馬がすると思っていた競馬を、勝ち馬がしてしまった。1戦で見限るのは早計だが、天下を取るまでの力は無いのかもしれない。対抗ジャスタウェイは、負け惜しみだが、1番強い競馬をしたと思う。直線の伸びは力強かったが、中山の短い直線では届かない。位置取りと仕掛けの遅れが悔やまれるが、それを承知の上での対抗視なので仕方が無い。結果自体は残念だが、馬の評価を落とすレースでは決してなかった。

今年の競馬も終わり、何頭もの名馬が、ターフを去った。来年の競馬界は、果たしてどの馬が引っ張っていくのだろうか?